急な不幸があってチラシなどでお墓を探すとわかりにくい専門用語で戸惑った経験がありませんか?私がよく聞かれるのは『過去の宗旨・宗派不問』とは何ですか?という質問です。これは主にお寺でお墓を販売しているチラシに記載されていますね。簡単に言えば『当寺で契約されるなら、今までの宗旨・宗派が他宗であっても構いませんが、契約後は当寺がお経をあげますよ』となります。このお寺が日蓮宗であれば、今後のお経は日蓮宗になるわけです。
ここで注意しなければならないのはその時点で『改宗』と言って宗派が変わります。『お経をあげてくれるならどの宗派でも良いや』とこだわらない方であれば構いませんが、ご親戚が法事に参加してトラブルになった、などという話もありますので契約時にしっかり確認した方が無難です。当然ですが、今後はそのお寺が年間行事や法要のご案内を送付し、お経をあげ、年間数回のお布施をいただきます。金額に関しては『お布施』ですので様々ですが、これらの行事には『なるべくご参加下さい』と言われます。このあたりの説明もできれば契約前にご住職にはっきりと確認した方が良いでしょう。
お墓を購入した後は、霊園の場合は『管理費』と呼ばれるマンションなどで言う『共益費』と同じ費用しか発生しません。しかし『お寺』は『宗教法人』ですのでお寺を維持していくためにお墓を購入した方にも金銭、労力ともに手伝っていただく事を前提にしています。お彼岸会のお誘いなどが郵送されてくるのは当然ですし、年間にそれなりのお布施費用を収める事も承知した、と解釈される訳です。現代では戸建てのお墓以外に、納骨堂や樹木葬など様々なタイプの墓所がありますが、お墓の『カタチ』は様々でも、契約後にどの様にお付き合いが必要なのかが重要です。見た目で決めてしまうと後々お子さんやお孫さんに『そんな話は聞いてないよ!』と言われる事にもなりかねませんので事前に十分ご検討下さい。